はんだ付けのご依頼を企業様から以前いただきましたので、その内容をご紹介いたします。
「チップ抵抗」と「チップLED」、そして「表面実装コネクタ」の3種類をはんだ付けしますので、それぞれの様子を前編・中編・後編と3つに分けてご覧いただきます。
- 前編:チップ抵抗
- 中編:チップLED
- 後編:表面実装コネクタ
今回の内容は、前編の「チップ抵抗」をはんだ付けしていきます。
簡単になりますが、はんだ付けの方法も解説しながら進めていきますので、最後までご覧頂ければと思います!
ただ、ご依頼いただいたお仕事が短納期だったということもあり、結構余裕がない状態でやっております(汗
最後に動画も紹介しています!
ひたすらはんだ付けをする映像になっていますが、そちらもご視聴頂ければ嬉しいです。
準備した工具など
コテ先
今回のお仕事をするにあたり、PX-280用のコテ先を購入しましたので、まずはそちらの紹介をしておきます。
というのも、ご依頼いただいたはんだ付けに使用するハンダは、鉛フリーとなっております。
普段の動画撮影では鉛ありの共晶ハンダを主に使っておりますので、その時に利用したコテ先を使い回すことは出来ません。
出来れば、はんだゴテも分けたいところですが、内職という事でお許しいただこうと思います^^;
今後も続くようであれば、ステーションタイプのはんだゴテの購入も検討したいと思っています。
では、PX-280用に今回購入したコテ先はこちらです。
3種類購入しましたので見ていきましょう。
まず一種類目が、
です。
こちらは、円錐型で先端をカットしたタイプの太めのコテ先です。
二種類目は、
になります。
こちらは、鉛筆型の先端の尖ったタイプのコテ先です。
三種類目は、
になります。
こちらは、マイナスドライバー型のコテ先です。
全て使うわけではありませんが、以上の3点を購入しました。
あと旧型のHAKKO 933のはんだゴテ用に、鉛筆型の先端の尖ったタイプの新品を用意しました。
今回の作業で使用するのは、
- HAKKO 933のはんだゴテでは、先端の尖った鉛筆タイプ。
- gootのPX-280のはんだゴテでは、先端の尖った鉛筆タイプと、先端をカットしたタイプ。
を使って作業を行っていきます。
仕事で初めて、PX-280を使って感じましたが、良いはんだゴテなのですが、やはり仕事となると、普段から使い慣れているステーションタイプが欲しくなりますね。
フラックスディスペンサー
次に、ペン型のフラックスです。
日本ボンコート株式会社のBONPENという製品を用意しました。
普段使用している瓶のキャップに刷毛が付いているタイプですが、大量にはんだ付けする場合にはキャップの開け閉めに時間が掛かり適していませんので、ペン型のフラックスを用意しました。
他にもHAKKOさんでも筆タイプが販売されていますので、そちらでもいいですね。
今回準備した工具などは以上となります。
チップ抵抗をはんだ付けする流れ
簡単にチップ抵抗のはんだ付け方法をご紹介します。
ただし、今回ご紹介する方法は仕事で行う私流のやり方なので、初心者の方には参考になりません。
初心者の方は、YouTubeに公開した「チップ抵抗をはんだ付けする3つの方法」を参考にして下さい。
では、はんだ付けの流れを紹介します。
- チップ抵抗のパット全てにハンダを付ける。
- フラックスを塗布し、チップ抵抗を乗せる。
- はんだゴテ二本を使って、はんだ付けする。
- フラックスを塗布し、はんだ修正を行う。
- 洗浄する。
このような流れで、はんだ付けを行います。
チップ抵抗のはんだ付け方法は以上となります。
チップ抵抗のはんだ付け
チップ抵抗を先程の流れの通り、はんだ付けしていきます。
効率よく進めるために、チップ抵抗のパットだけではなく、チップLEDのパットにもまとめてハンダを付けています。
一ヵ所一ヵ所丁寧にハンダを付けていきたいところですが、あまりにも時間が掛かり過ぎますので、予めパットにフラックスを塗布し、コテ先を滑らせてハンダを付けています。
ご覧いただいて分かるように、はんだ付けする箇所はたくさんあります。
チップ抵抗で30か所、チップLEDも30か所、合計60か所にハンダを付けますので、作業効率重視で進めております。
また、基板の枚数も沢山ありますので、ある程度同じ作業を行った方が効率化できますので、パットにハンダを付ける作業をまとまった枚数行っています。
ハンダを付けれたら、再度フラックスを塗布します。
フラックスを塗布した上に、チップ抵抗を乗せていきますが、こちらも10枚程度一気にフラックスを塗布してから、チップ抵抗をすべての基板に乗せていきます。
チップ抵抗は、基板一枚当たり30個です。
地味にこの作業が辛いんですよね。
厳密には方向も決まっているので、正確に乗せなくてはいけませんが、今回は勘弁していただき、裏表だけは間違わないように注意して乗せていきます。
チップ抵抗を一個づつ乗せるのが良いのですが、不精をして1個から4個程度まとめて乗せちゃっています!
「これじゃ〜はんだ付けできないだろ!」と、お叱りを受けるかもしれませんが、これがなんとかできるんですよね。
では、10枚程度、全ての基板にチップ抵抗を乗せ終わったら、いよいよはんだ付けです!
先端の尖った鉛筆タイプのコテ先を装着した二本のはんだゴテで、一ヵ所一ヵ所はんだ付けしていきます。
コツは、チップ抵抗にコテ先を出来るだけ当てずに、パットだけに当ててハンダを溶かすと、自然とチップ抵抗は中央にはんだ付けされます。
パットの上に乗っていないチップ抵抗は、二本のはんだゴテでパットの上に誘導させてはんだ付けします。
この誘導に手間取ると、あっという間にハンダが酸化しハンダの流動性がなくなり、ネバついたハンダになってしまいます。
状態の悪いハンダになる箇所もありますが、後からすべてのハンダを修正しますので、そのまま進めます。
この方法ではんだ付けした時、中央にチップ抵抗が綺麗に収まったときは気持ちいいんですよね~
逆にハンダの流動性が悪く、ハンダが馴染まなかったり、中央に収まらなかった時は、イラっとするんですけどね^^;
そんな感じではんだ付けを淡々と進めていきます!
はんだ修正する事を前提として、一気に基板10枚のチップ抵抗をはんだ付けしていきます。
その数、なんと300個・・・。
慣れているとはいえ、大変です。
これが100枚ありますので、先が長い作業です。
ハンダが付け終わったら、全てのチップ抵抗にフラックスを塗布し、はんだ修正していきます。
必要のない箇所もありますが、確認するよりすべて修正した方が早いので、止まらず手を動かします。
もはや機械になった気分です^^;
ハンダ修正が終わったら洗浄ですが、チップLEDもありますので、チップLEDのはんだ付け完了後にまとめて洗浄を行います。
まとめ
チップ抵抗のはんだ付けの様子をご覧いただきましたが、如何だったでしょうか?
あまりはんだ付けの参考にはならなかったかと思いますが、このようにしてはんだ付けする方法もあるんだなーといった感じで、捉えて頂ければ幸いです。
一つ一つ丁寧にチップ抵抗をはんだ付けすれば、もっと綺麗に仕上がるのですが、あまり時間をかけすぎると採算が合わなくなりますので、如何に仕上がりが良く短時間でこなせるか?のラインでやっております。
不精をしたりまとめて作業をやったりと、賛否が分かれるところかもしれませんが、私はこのような方法でやることが多いです。
ただ、初心者の方が今回ご覧いただいたような方法をいきなり真似することはお勧めいたしません。
そもそもこんなにたくさんのチップ部品をDIYではんだ付けすることはほとんどないかと思いますが、もしそんな機会がある場合でも、まずは普通にはんだ付けをして下さい。
私も長年はんだ付けをやってきて、この方法に行き着きました。
色々失敗もしましたし、練習もたくさんしての現在なので、まずは、当たり前に綺麗なはんだ付けが出来るようになることを優先する方が良いかと思います。
次回は、チップLEDをはんだ付けしていきますが、チップLEDには極性がありますので、今回のように方向を気にせずに乗せることが出来ません。
また、種類も3つに増えますので、今回のようなやり方では間違ったところに実装してしまうリスクがあります。
そのような場合の、私なりのやり方についても解説しながらご覧いただこうと思いますので、次回もご覧頂けると嬉しく思います。
コメント
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[…] 前編をご覧になられていない方は、まずは前編をご視聴下さい。 […]
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